でもあたしはそんなことよりも、喜一君の手にあるものに視線を向けた。 ノコ……ギリ……? 「喜一く……それ……」 「あぁ、これ?」 そう言ってノコギリを持ち上げ、喜一君は怪しく笑った。 その顔と、ノコギリが上手くマッチしていて、自然と体が震え出す。 「これね、凛の……………… 体を切ろうと思って」 …………え? 意味がわからない。 どうして? 聞きたいのにあまりにも急すぎて言葉が出てこない。 そんなあたしを喜一君は言った。 「今の、今そのままの凛を、僕の物にしたいんだ」