どうしようどうしようどうしようっ!! 何かないかと部屋を見渡すが、逃げるのにためになるのは一つもない。 だけど、このままだと……… ガラッ―――――!! 「凛、何してんの?」 喜一君がリビングから戻ってきて、キョロキョロするあたしを見て言った。 「いや……ちょっと……」 「まさか、どこか行こうとか思ってなかったよね?」 尋ねてくる喜一君に、あたしはただ首を振るしかなかった。 「違う……よ」 「……そう」 少しの間を置いて、喜一君はそう答えた。