ガチャンッ……!! リビングから物音が聞こえ、あたしは動きを止めた。 『用意してくるね』 そう喜一君は言った。 用意。 なんの? 今までの喜一君があたしにしたのが頭の中でフラッシュバックする。 あたしの血を飲む喜一君。 思い出しただけで体が震え出す。 もうあんなのは嫌だ。 逃げ出すなら今。 だけど恐怖で体が動かない。 逃げて捕まったら何されるかわからない。 ドクンッドクンッと激しく心臓が脈打つ。 息が止まりそう。