こんなのを繰り返してたら怪しまれる。 「一人で食べたい……」 「えー。僕食べさせたいなぁ……」 「お願い……」 「でもこれ外したら、凛どこ行くかわかんない」 繋がれている紐を掴みながら、喜一君が言った。 「どこにも行かないから……」 多分今のあたしの顔は“必死”という言葉がピッタリだと思う。 しばらくの沈黙。 それを喜一君が破った。 「わかった。ずっと縛っとくのも可哀相だもんね」 少し残念そうに笑いながら、喜一君はあたしの手足を縛っている紐を解いた。