規則的な時計の針の音だけが、静かな部屋に響く。 生暖かい温もりと、痛みだけが、体全身を包む。 キリキリと痛む足手首よりも、体の痛みの感覚の方が強すぎて、もう麻痺してきている。 どうして…… どうしてあたしが どうしてこうなったの……? 今更考えてもしょうがない思考だけが、脳を埋め尽くす。 普通に恋して、普通の生活を送りたかった。 ただそれだけだった。 一つなにかが狂い始めると、それに合わせて全てが狂っていく。 「凛、ご飯だよ」