高三重君と杏は行ってしまった。

「凛ちゃん、送ってくよ」

「え、でも……」

あたしが戸惑っていると、喜一君は優しく笑って


「女一人じゃ危ないでしょ?」

「じゃぁ、お言葉に甘えて……」

送ってもらうことにした。

合コン時のときとは違い、少し気まずい雰囲気。


なにを話せばいいのかわからない。

だけど、喜一君といるだけで、なぜかドキドキして、心地いい。


「凛ちゃんて、彼氏とかいる?」

突然の質問に、答えに詰まった。

「あっ、いえっ、そのっ……」

「凛ちゃん戸惑いすぎっ」

笑っているのを見て、恥ずかしくなった。


「いません……よ?」

そう言ったあと、あたしも気になった。

「喜一君は、いるんですか?」

「敬語はいいって。俺?俺もいない」


えー、こんなにかっこいいのに……

でもなんか安心した。

って、なんで?