目には黒い布。 椅子に座り、体は縛られている。 何も見えない、身動きできない。 その恐怖から、精神は不安定になりつつあった。 静かにドアが開く音がする。 人がいる。 気配だけでそう感じた。 震え始める体。 「大丈夫」 安心感のない言葉を投げかけられる。 それでも、震えは酷くなる一方だった。 「じゃぁ、次命令するね―――」 静かに囁かれた言葉は、やけに大きく聞こえた。 次の命令。 そのことだけが、走馬灯のように駆け巡る。