そういえばふと思い出した。

詩織はよく、ベランダに小さなテーブルを置いて紅茶を飲んだり、本を読んだりしていた。

そして窓の鍵をかけ忘れていることなんて日常茶飯事だった。

俺はアパートの裏手に周り、塀によじ登り、木の枝を伝って詩織の部屋のベランダに登った。

窓の鍵は開いていた。


ガラツ


窓を開けると


真っ暗ら部屋の中で


怯えていた詩織が俺を見上げた。