そんな大密林をひたすら奥へと進んで、
3週間が経ったころ。

メンバーの中で最初に音を上げたのは、
中国人の毛沢山であった。

激しく降るスコールの下、彼はシンガ
プーラの茶色の身体を寒さに震わせなが
ら、黄色の両眼を怒らせて言った。

「もうたくさんある! そもそもンベン
 べがどの辺りにいるかも想定せずに、
 この広いジャングルを歩き回るなんて、
 計画自体がどうかしてたある!

 我たちは帰りもあるある、そろそろ
 引き返さないと、ホントに死んでしま
 うあるよ!」