そういうと狂信者のようだが、彼には
絶妙にバランスの良いところがあって、

例えば、ふつうの狂信者は自分の宗教
以外の宗教を認めないものだが、

彼の考えでは、イスラム教や仏教その他
が、キリスト教と並立して存在するのは、
やはり神の深い考えがあってのことで
あるし、

キリスト教がカトリックとプロテスタン
トに分かれたのも、プロテスタントの
中に何百もの宗派があるのも、

ロシア正教やギリシャ正教やアルメニア
正教があるのも、果ては無宗教のネコが
この世にたくさん存在するのも、こと
ごとく神の思し召しである。

彼は一言でいえば「何でもあり」のネコ
であって、きわめて頭の柔らかい、付き
合いやすいタイプなのだ。