なんで? さっきまで持ってたのに…

私が焦っていると、隣にいた可愛らし

い女の子がポケットからケータイを取

り出して私に差し出した。

「よかったら使ってください……」

そう言って女の子は床に座り込んでし

まった。

「あ、ありがとう…」

とりあえず私は警察に電話した。

電話の中から聞こえる落ちついた声。

死体を見たにも関わらず、何故か冷静

な私。



それから数分後、警察の人達がやって

きた。

「ケータイありがとう」

「いっいえ!」

ケータイを貸してくれた女の子は、弱

くほほ笑んでくれた。

かっ可愛い…。アリス達とはまた違った

可愛さがこの子にはあった。

その子の笑顔に和まされていると、突然

その子が倒れこんだ。

えええ!!

「ちょっ大丈夫!?」

急いで声をかけたが返事はない。

ま、まさか死…いやあ! 考えるなあ春陽!!

オロオロしていると、アリスと希衣菜と

警察の方がやってきた。

「その子どうしたの?」

と希衣菜。

「どうしたんだ? そいつ」

とアリス。

「大丈夫ですか? とりあえず保健室に

連れて行きましょう」

と警察の方。

って…え? 何で警察の方が?

「ああ、こいつは私の親戚の有川敬介だ」

え? うそ。アリスと親戚なの?

結構かっこいい。