恋しぶき〜先生と泳いだ季節〜




「莉央、よく頑張ったな。頂上だ。」



先生が、穏やかに私に笑いかけた。



その先生の言葉で、私は富士山を登り切ったことを自覚した。



日の出はまだだったみたいだけど、もう空は明るい。



先生の顔に、陽が優しく当たる。





「俺、莉央がいなかったら頂上まで登れなかったかもな。」



先生は、光の当たった石碑を見上げながら言った。



そして、
不意に私の方を見た。