「じゃ、登ろうか、莉央。」 最初に優しく声をかけてくれたのは、渡先生だった。 「渡先生…!都築さん、こんな状態なんですよ?」 森田先輩が、慌てて渡先生に言う。 「でも、莉央は登りたいと言ってる。俺が面倒見るから、大丈夫だ。」 渡先生は静かに言った。 「先生がそう言うなら…」 先生の真剣な表情に、森田先輩は渋々意見を通すことを諦めた。