「びっくりしてたら、『でも都築がムキになって否定しようとした』…」
愛は少し視線を落として話を続けた。
「『このままだと先輩怒らすから、俺が止めた』って…。」
「え…」
山田くんが、愛に全部話すなんて…。
「それだけ言って、去っていったの。最初、意味が分からなくて…。」
愛の手の温かさは、変わらず私の背中に伝わる。
「でもしばらく登っているうちに、分かってきた。『莉央は私のことをちゃんと友達として見てるから、仲直りしろ』ってことなんだ…って。」
愛は私を優しく見つめて言った。
「山田くんってすごいね。普段静かなのに、周りをしっかり見てる。」
「うん…。」

