次の日の放課後、予想通りに先生に呼ばれた。

谷澤の親から電話があった、と。

何故か保健室に連れられた。

玲の姿は・・・ない。

「チッ」

男子の舌打ちが聞こえる。

「先生、玲はどこですか」

あたしは聞いた。

「谷澤は・・・」

「別に教えなくてもいいです」

どうせどっかに逃げたんだろ。

「で・・・今回の事だが」

「はい?」

「信じたくないんだが・・・」

遠回しに言うな、早く言え。

「本当に・・・やってるのか?」

「やってません」

即答した。

その後、先生の声ではない、ほかの声が聞こえた。

「嘘っ!」

玲の声・・・。

あいつ、隠れてやがったのかよ。

弱いな。

「チッ」

また舌打ちが聞こえる。

「それは本当ですか、谷澤さん」

「はい。私は毎日朝女子トイレに連れ込まれて、かぎを閉めて、雑巾投げつけられたりモップで頭を拭かれたりしました」

玲が半泣きで言う。

「時には、男子も入ってきて殴られたりしました」

と、付け足す。

「綾瀬さん、山下さん、田口さん、井口さん、・・・本当なんですか?」

きっとこの4人が一番名前を出されたんだろーな。

あーあ。

めんどくせぇ。

ま、いっか。

こういうのも楽しいな。

「嘘です!ていうかあたしが玲にやられた事あります」

「谷澤さん・・・・・・本当なんですか?」

お前、それしか言ってねえな。

違う事言えよ。

飽きるじゃねえか、馬鹿野郎。