「……ちっ」
ガタッ。
俺は席を勢いよく立ち上がり、星野の肩を掴んで軽くゆする。
「あいつは!今何処にいんの!?」
「…これ住所」
こうなることを予想していたのか用意のいい星野は俺に一枚の紙切れを渡す。
俺はそれを受け取ると、カラオケから飛び出し、その紙の記す住所へ向かうべく、足を走らせた。
なんで俺…
こんな一生懸命走ってるんだろう…?
何処か大人びて見える彼女は
本当はそんなに大人でもなくて
強がりだけど脆いんだ。
生きていく支えを失って
きっと今、彼女は立つことすら出来ないでいる。
そんな君の姿を思うと
足が止まらないんだ。
何でだろうね…。
憎んでたはずなのに。
悔しいけど、それと同じくらい愛してたって事なのかもしれない。
ピーンポーン。
「はい…」
建築されてからかなりの年数が経ってるであろう、お世辞にもいい所とは言えないボロアパートの一室。
ドア越しに聞こえた彼女の声は、やはり元気がなかった。

