「…留美に会いたい?」
「……何言ってんの?ボストンにいんだろ?」
それに…急にそんな事言われたって俺の気持ちは…
まだあの頃のままで止まってるんだ。
大人にもなりきれず、本当は先にも進めていない。
母親に置き去りにされた子供のように
いつも、戻ってきてくれるのを何処かで期待しながら
現実を思い知らされる度にそれを押し殺してきた…。
何もかもが遅すぎたんだ。
「留美、今日本に帰ってきてるんだ…」
「は…?だって弟の手術は?」
俺の素朴な疑問に星野は顔をしかめ、俯いた。
「翔君は………」
なかなかその先を口にしない事からも、彼女が言わんとしてる事は大体想像がついてしまう。
なるほど
その事を伝えるのが
こいつの目的だったわけか。
そうすれば
俺があいつに会いに行くとでも思ったのか?
ヨリを戻すと思ったのかよ。

