君の面影を探して

そっと2人の唇が触れ合う


平気そうにしていた満月の唇は小刻みに震えていた

そして怜桜の唇もこの上ないほど震えていた



「…ふふっ」

どちらからともなく笑い出した

お互い顔は真っ赤になっている

波の音だけが涼しげに響く


「怜桜震えすぎー」

「なっ、満月やって震えとったやろ!」

「「ははははっ」」


静かな夜の浜辺に2人の笑い声が響く

静かな町中に2人の笑い声が響く

そう、2人はここが家の目の前だということを忘れていた



「うっさいねんボケー!」


案の定家の中から丸坊主の大地が夜でもめったに外さないサングラスもかけずに飛び出してきた

幸い組長は幹部会で大阪へ行っている


大地は固まっている2人を見て自分の目を疑った

いつも言い争っている2人が仲良さげに笑っていたのだから普通の反応だろう