「んで?何が大好きなの?」 ウチの誤魔化し笑いに動じることなく、 フツーに聞き直す室長。 誤魔化されろよ、 コンチキショー。 「ここの塾の匂い。」 もー、ウチも答えるしかないじゃんか。 すると室長は ブフッ と吹き出す。 「ちょっとぉ!笑わないでくださいよ室長っ。 マジなんですから。」 むくれて言うと、 室長はゴメンゴメンと笑って言った。 「でもわかる、オレも好きだし。 この匂い。」 好きだし。 と この匂い。 の間が開きすぎて、 少しドキっとした。