「あっ…あ、ウチ、帰りますっ!!」 もう何がなんだかわからない。 もうウチの本能が、 帰れ! ここにいたら大変なことにっ、 好きになるぞ! と叫んでいた。 荷物を急いでまとめて 帰りの支度を済ます。 「あ、ありがとうございましたっ。 さよならっっ!」 そのまま出入口のドアにひとっ飛び! …まではいかないけど、 とにかくソッコーで塾を出た。 「気をつけてねっ、 また明日もおいでっ!」 室長が そう叫んだのを聞いたけど、 …まぁ、 聞かなかったことにしておこう。