濡れた頭、
室長に触られた部分。
その部分を、
シャンプーがついたまんまの手で撫でる。
最初はサラサラと軽く触っていたけど、
どんどん雑に撫でる。
アイツの笑顔、声、視線。
全部が気になる。
ベショベショベショベショ…。
どんどん泡立つ髪の毛。
『よくできたね。』
嬉しかった。
ただ、
単純に。
あんなに
優しくされたのも…。
…っ、
なんだよアイツ!
なんだよアイツ!!
思い出しちゃったじゃんっ!!
あーっ、
もうっ、
ヤダっ!!
ワシャワシャーッと、掻き立てる。
そして泡立てた泡を、
鏡に思いっきり投げつけた。


