私が腰を下ろすと真美が興味津々になんだったの?と聞いた

「樹に彼女がいるのか?って聞かれたよ」

少し困ったように話すと

真美はあからさまに態度を変えた

「またー?」

そう。私は何度かこんなことを経験している

去年の夏がピークだったと思う

三年生から一年生まで毎日のように知らない女の子たちに声をかけられたのだ

「はぁ…。奈緒もこれから大変だね…」

呆れ顔で真美は私の方を見た

「でも、応援してくれるわけだし、いいことだよ。応援はやっぱり選手にとってプラスになるし!」

私が懸命に言うと

それ、この前も同じこと言ってたよ、と真美が笑った

いつもの真美に戻ったので私も笑った

そしてまた、たわいもない話を私たちは始めた