「っ痛」

担任の長い説教からようやく解放された俺はヒリヒリした頬に手を当てながら音楽室に続く廊下を歩く


俺の通う坂中高校は、少子化によって生徒が急激に少なくなり、ほとんどの部活が廃部した。
大半が、部活から同好会になっているので、野球部以外は大会に出ることはまずない

学校の校庭で、叫んでいる野球部を除けば、放課後の校舎は静かになる

でも、俺が暇潰しに入った吹奏楽同好会が活動している音楽室だけは静かになることはない

少しだけだか廊下に楽器の音色が響く。


吹いているのは後輩だろうか。遅れてはいけないので俺は早足で音楽室に向かった。