触れる唇。

俺の脳を溶かす甘い香り。

それは数秒で離れていこうとする。


もう逃がさない。


陽乃を捕らえ、更に深くつながった。


「むっ!?ぅむう…」


バシバシと胸元を叩く陽乃。


どうしてそう暴力的なんだろうね、君は。
心の中で苦笑しながら、離す。


名残惜しくて、少し充血したその唇を最後に舐めて、


「今、俺の雑菌と陽乃の雑菌が入り交じってるのかな」

「なっ」


制服の袖で、口を拭きながら目を丸くする陽乃。