慌てて、後ろを向いてワイシャツと肌を離す。


「ちょっと見ないで!」

「じゃあ写メって良い?」


後ろから抱きすくめられる。
耳元で囁かれた声に肌が粟立った。

動けない。


「さっき観たバックドロップなんとかって技かけるけど良いなら」


映画でかけられていた人は首の骨を折って即死だったね。

透は小さく呻いて離れていく。


駄目だ。


こんなこと言いたいんじゃないのに。

時々、透が怖くなって、
そんな自分をごまかすように冷たくしてしまう。


透が何をするか分からないのが怖い。

怖くて仕方がない。