「一緒に帰らなくて良いの?」

「良いよ。気まずいだけだし」


家族が一人減ることに、寂しくないと言えば嘘になる。

しかし、お義姉さんも映画の趣味は好戦的だが、美人で優しそうだったので祝福するべきなのだろう。


「もしかして今夜は帰りたくない?」

「はいはい」


などと言いながら、まだ暗くなかったので残りのドーナツを食べに公園を歩く。

いつもなら大道芸や家族連れで賑わっているのに今日は少ない。


「ドーナツ買いすぎじゃない?鳩にやって良い?」

「駄目だよ、鳩が肥える」

「…私なら良いの?」

「胸の辺りを重点的に」


むっとする私の頭に冷たいものが刺さる。