お義姉様とお義姉様のご両親勢ぞろい!!

うちの親はいないようだがこんな大切な日に観に来るものじゃないだろ…

慌てたように手を振る未来の親戚団体。


もしや着いてきた…?


とも疑えるが、皆、目をキラキラとさせてしっかりスクリーンに釘付けなので、違うのかもしれない。

それはそれで不安な将来。


「ご家族の方?
どうも、陽乃さんとは結婚を前提にお付き合いさせていただいてます」


透の方も微妙に勘違いしている上、何ちゃっかりとんでもない挨拶しているんだ。

ていうか、何そのよそ行きのスマイルと声。


将来はともかく、私は安全に映画を観ることができた。


陽乃ちゃんもやるねえというひやかしと、兄貴の苦笑いを受け、私たちは映画館を出た。