「大丈夫?」


透の顔にはかなげな影が刻まれる。


「もうだめかも…

だから、食べて♪」


「食べて♪」とか言われてもその胃薬は食べられません。

お弁当を片付けながら私は訊ねる。


「ところで映画って何観るの?」

「んー何観るか」


結局、胃薬を自分の口に流し込みながら、透はあまり考えてる素振りをせずに返した。

考えてなかったのか。


「俺映画とか観に行かないんだよなー高いし、暗いと寝ちゃうんだよね」


日曜日がとても不安になった。