キミと僕の記憶



「ごめん……
美月ちゃんがアイツのことばっかり言うから」


私から見える仁科の耳が夕日のせいじゃなく
真っ赤なのが分かった。



ちょっ………と
待て!





コイツ
コイツ、
そんな理由でキスしたの?



私が麻木センパイの話をしたから!?



それって
つまり、ヤキモチ……な訳?





「あんたって――
マジで意味分かんないし」


思わず呟いた。



「なっ――にが!?」

クルッと勢いよく、仁科は椅子を回転させる。


パチッとまた目が合い、
うっ、と私は固まった。
真剣な顔で私を見つめる仁科。


さすがの私も、理解してしまった。



「――ホントに、分かんないの?」



また怒ったような顔をする。



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