【短】さ く ら Ⅲ~思い出すのはキミのこと~



亜由ちゃんがバイトを始めて1ヶ月くらい経った日だった気がする。


「~♪」


その日の亜由ちゃんはすごい嬉しそうで、何か良いことがあったんだな、ってすぐにわかった。


「なんか亜由ちゃん、嬉しそうだね。なんか良いことあった?」


オレがそう聞くと、


「彼氏が、会いに来てくれるんです♪」


えっ…


「…彼氏?」


「はいっ♪」


彼氏、いたんだ。
ここの男子アルバイトのほとんどが亜由ちゃん狙いなのに……ご愁傷様だな。
まっ、オレには関係ない話だけど。