リビング

向かう先には港の船が見えていた。

廃工場へ行けば…わかるんだ!!!

部活の時よりも全力で走った。
風を切り、自転車を追い越し、人にぶつかりそうになりながらも廃工場目掛けて突っ走る。


髪が後ろに流れて額が露になる。服が走る振動で乱れる。

息切れ。横腹に痛みも感じる。
それでも慎吾の足は止まる事はなかった。


もしかしたら…何かヤバい事件に巻き込まれたのかもしれない!!!

変換されていなかった平仮名だけの文章。
変換している暇など一秒足りともなかったのでは!?
人気のない廃工場。
従妹にSOSを求めた涼子…!!!


そうだ、きっとそうに違いないっ!!!
早く行かないと!!
今度こそ助けるんだっ!!!もう絶対に逃げないっ!!!