リビング

一体どうしろと言うのか。町外れの廃工場に来て?そこに一体何がある…。

町外れの廃工場という名前は、何度か日常の会話で耳にした事があった。
港の近くにある人気のない寂れた工場だ。


その工場は昔、建設会社の工場だったらしいが、その会社が倒産してしまい今は別の会社が物置として使用していると聞いた。


しかし何故涼子はそんな危ない場所に俺を呼び出す?

あの廃工場付近は、昼だからこそ何の違和感も感じられないが、夜になれば明かり一つない、漆黒の闇に包まれてしまうのだ。
不審者が潜んでいる可能性がある為、警察から夜は立ち寄るなと市に警告の呼び掛けをしたぐらいだ。

時刻はもう6時をすぎ、あと一時間もすれば完全な夜になるだろう。
なのにどうして…!?