リビング

慎吾はいつもと同じように何の躊躇もなくメールボックスを開いた。


え…!?
慎吾の手がピクリと震えた。目が携帯の画面に釘付けになっている。
人が横切ろうが全く気付かない。
それほどまでに動揺していた。いや、動揺するしかなかった。


市野涼子。
メールボックスの一番上の覧には、そう登録された慎吾の従妹からの未読メールがあった。

なんで涼子から…?
動揺は収まらない。心臓の高鳴りすら感じる。夕焼けの一本道、慎吾の立ち尽くす姿が目立った。


市野涼子。彼女は慎吾の血の繋がった従妹でありながら、同じ学校の同級生でもあった。
その事実を他の生徒は誰一人知らない。

そして、涼子は宗太同様周りからいじめにあっていた。