リビング

「もうこんな時間……」

校庭にはまだ何人か人はいたものの、どれも部活後の片付けをしていた。

俺はいつの間にか寝ていたのか…?
時間の経つ早さにそうも思えてしまう。
いや、実際体が重く、本当に寝起きの状態だった。


「おーい!!!冴中ー!!!」

聞き慣れた声だった。陸上部の顧問の先生だ。
少し遠くの位置から呼んでいる。

慎吾は目を細め振り返った。

「暗くならない内に早く帰れよー!!!」

慎吾は、はいと返事をすると足早に校門を出た。
また冷たい風が吹いた。さすがにこの時間帯に半袖半ズボンの体操服は冷えるようだ。


「上に学ラン着とくか…」

鞄から学ランを取り出すと、慎吾は道端で立ち止まり学ランを上から着た。