涙を流し、変わり果てた本を拾い机の中へしまう。
手は煤で汚れた。
もう字すらも読めない本を机に入れ、彼はどうしようと言うのか。
もしかすると、もうこの時から彼の精神は異常だったのかもしれない。
「宗太君」
弘人が優しく声をかけた。
宗太は灰色の目で弘人の顔を見た。
「君の本の残骸なんだから、ちゃんと処理してよね。汚いんだよ、この灰。君の本の灰だから尚更ね」
言い残すと弘人はまた仲良しメンバーの処へ戻った。
宗太は顔の位置をピクリとも変えずに硬直していた。そしてまた、充血した目から涙が溢れた。
この時に…、いやもっと前に、彼を救ってあげれば良かった……。
救えたら……あんな事にならずにすんだのに……………。
手は煤で汚れた。
もう字すらも読めない本を机に入れ、彼はどうしようと言うのか。
もしかすると、もうこの時から彼の精神は異常だったのかもしれない。
「宗太君」
弘人が優しく声をかけた。
宗太は灰色の目で弘人の顔を見た。
「君の本の残骸なんだから、ちゃんと処理してよね。汚いんだよ、この灰。君の本の灰だから尚更ね」
言い残すと弘人はまた仲良しメンバーの処へ戻った。
宗太は顔の位置をピクリとも変えずに硬直していた。そしてまた、充血した目から涙が溢れた。
この時に…、いやもっと前に、彼を救ってあげれば良かった……。
救えたら……あんな事にならずにすんだのに……………。
