「あの…如何したの?
ジキルさん…」

いつものソファーに座り
そうジキルの顔を覗き込むルアン。


けれど…ジキルの眉間の皺が
消えることは無かった。


「私…何かした?」

眉尻を下げてそう声を小さく変える
ルアンに…ジキルは視線を向けて…
また逸らした。


いつも無口なジキルだが…
今日は何時になく、
ルアンを避け続けていたのだ。


「言ってくれないと…
分かんないよ…。」

とうとうルアンの瞳に
涙が溜まりだしたのを見て
ジキルは伸びた金髪を束ねていた
ゴムを解いた。