労働の価値 その2

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ただし上着が「基準」のときは、
自分の価値の大きさは見えなくされている。

「自分にはいくらかの大きさの価値があります」と、
それだけしか言っていない。

たとえば、
4mの布は「上着2着分だ」と言うことで、
自分の価値の大きさを言うことができる。

このとき上着という「使う価値」が、
布の、
無色透明のただの「価値」を、
あらわしている。

そして、
「それではその上着の価値の大きさは」と聞かれたら、
答えられない。

そういうことだ。

上着の価値の大きさは、
見えない。

「とにかく いくらかの大きさはある」と、
それしか言えない。

それなので多くのひとは、
量がふたつのあいだでどうなっているか、
それしか考えないようになってしまった。

しかし、
上着は自分の価値の大きさを「何も言っていない」。