「君は、   知らないのか?」               「何をですか?」                      「君の想い人さんは、近々、   ご結婚なさるそうですよ(笑)」               「うっ、うそっ(泣)」                    「転任先の理事長のお孫さんと、   結婚するそうですよ(笑)」               理事長は、私に、        結婚式の招待状を差し出した。                    そこには、                    新郎のところには、相場先生が…                   新婦のところは     知らない女の人の名前だった。               「………」                         「大野先生、            君は、私の婚約者として、結婚式に出席するんですよ(笑)」               「嫌…です。         だいたい…            婚約者って、なんですか?」               「言葉のままですが?                何か?」