moon -不良-




店のすみに置かれた



小さな机の上に
置かれた




お花と写真...



私の足は


無意識にそこへ
向かっていた。



「舞華ちゃん?」



マスターの声は
私の右耳から左耳にぬけ


周りの雑音さえも



消えて聞こえた。



でもそんな私の状況が
マスターの声で変わった。



「今日 まさとの命日だね…」



ドクドクと心臓が
なる。



痛いほどになる


それと同時に
頭に走る痛み。



私はかち割れそうな


頭をかかえ



床にしゃがみこんだ