moon -不良-




ひたすら走った。

無我夢中で




「な..んで」







私は渚を好きでいては


いけないの?


ただ流れる涙を
拭うことしかできない。


そんな時



ブォンブォンブォンっ



徐々に近付いてくる
バイクの音



「舞華っ」



その声に私の足が
ピタリと止まる。



振り向いた先

メットを外して
私を追い掛けて来て
くれたのは...



「ー…よう」



陽だった。