掻きむしり

開いた扉から最初に射しこんできたのは強烈な腐敗臭と薬品臭の混ざったものだった。
俺はうっと顔を退け反る。

しかし扉の中に入ると心なしか、このえも言えぬ臭いが少しはマシになった。

「それにしても…」

暗い、狭い。扉が重みで閉まるのを確認すると今度はその感覚が襲いくる。
部屋にはトラックが入るであろうスペースが確保されている以外ゴミが溢れてた。