すると、藤岡くんは篁さんの胸ぐらを掴みあげた。
それでも口角をあげたままの顔を、鋭い眼孔でにらむ。
「あれ、当たりかな」
「うるせぇよ。何だオマエ」
な、なんの話?
怒った雰囲気の藤岡くんは、なんだか怖い。
あたしが眉をさげると、篁さんは自分のシャツをつかむ藤岡くんの手を離した。
「そんな怖い顔しないでよ。絢ちゃん怖がってるから」
そう笑ってカウンターの奥に消えていった。
そして、藤岡くんはあたしの顔を見て、ため息。
「……悪い」
って言って謝られたら、怒った理由なんて聞けない。
黙ったまま、あたしと藤岡くんはお店の隅の席に座った。


