絶対ないから!!
ありえない!!
だって、あたしの勝手な片思いだもん。
「……そっか」
顔真っ赤なあたしを見て、樹さんは妖しい笑みを浮かべながら会話を終了させた。
そして両手を広げて、
「玲、おいで」
って、玲さんを呼んだ。
「……お、王子、あの、みんないるんですけど」
「人がいっぱいの昇降口で、告白してきたの、だぁれ?」
「……ぅ……」
にこ、と王子スマイルをむければ、玲さんは耳まで赤くして、樹さんの隣に座った。
それを見て、今度は不機嫌そうな表情をする。
「……こっち」
「え、わっ!?」
そして、玲さんを引き寄せて、後ろから抱きしめる形をとった。


