そして、2階にあがって右のところに、右京さんの部屋があった。
ドアを開けると、先客。
「あ、右京」
「ひさしぶりー」
樹さんと、女のひとだった。
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「え、ちょっともうすでに可愛いじゃないですか王子」
「ん、だよね」
「いやでもほらいっくんだからさー、なんかアクションおかさないと」
『玲さん』は、薄いアイメイクでもぱっちりした眼をあたしに向けている。
ひとことで言えば、かわいい。
樹さんのいっこ下、あたしたちのいっこ上らしい。
「髪の毛キレイだねー、染めたことない?」
「あ、は、はい」
たぶん、玲さんのほうがキレイだけど。
玲さんの茶色の髪がキラキラと光った。
一通りあたしの顔を触ったあと、玲さんは立ちあがった。
「右京くん、絢ちゃん好きにやっちゃっていいの?」
「あー、んと。たっくんっていっくんの好きなタイプとか知らないの」
そして樹さんに視線が集まるけど、すぐに樹さんは「しらない」って言った。


