だけど、あたしの歩幅にあわせてゆっくり歩いてくれてるし、 なんでだか、あたしのカバン持ってくれてる。 そーゆーとこが、好きなんだよ。 優しいところが、だいすきなの。 「……あ、藤岡くん、ここ!! あたしの家っ」 赤い屋根の2階立ての一軒家。 あたしの家だ。 「――わんっ!」 玄関をあけると、いつものコロのおでむかえがあって。 隣の藤岡くんの顔が少し緩むのが見えた。 ……やっぱり、動物好きなんだなあ。 藤岡くんの笑顔を見て、なんだかあたしまで嬉しくなった気がした。