「――わんっ」 少し開いたドアのすきまから、飼い犬のコロが顔をだした。 雑種だけど、ちいさくてかわいいし、白い毛がかなり気持ちいい。 藤岡くんの次にだいすきだ。 「コロ、おいでっ」 「わんっ!!」 あたしに突進してくるコロ。 かわいい。めちゃくちゃかわいい。 抱きしめると、やっぱりふわふわな毛が気持ちよかった。 「あーかわいー……」 ……あれ? なんかあたし忘れてない? めちゃくちゃ大事なこと忘れてない? 『……オマエ、犬飼ってんのか』 藤岡くー―んッ!!!!