オオカミいっぴき。~クールな不良と甘々❤ラブ!~





さっきまでの強い力が嘘みたいに、柔らかく引き寄せられる。

突然すぎる行動にさらに硬直する体をほぐすためなのか、耳に息がそそがれた。




「俺、斎より強いよ?」




あたしの体の力が抜けたのがわかったからか、そのまま話し出す篁くん。

でも標準語なのは変わらない。




「知ってる……」




震える喉から絞り出せるのはこのくらいだった。





「……お願いだから、斎と比べないで。



確かに細くて頼りねーかもだけど、絢のことぐらいは余裕で守れるし、

なにより絢のこと愛してるから」





その真剣な声色に、あたしはうなずくのが精一杯で。




そんなあたしを篁くんはきつく、それでも優しく、抱きしめる。