――夜。 あたしはケータイの『藤岡くん』の文字を見つめて正座していた。 藤岡くんに連絡をするという一大事。 メールするか電話するか迷いはじめて20分がすぎた。 「……っよし!! やっぱりメールにしよう!!」 藤岡くんの声、電話でダイレクトに聞いちゃったら緊張で話せないもん!!絶対!! そして床におかれたケータイに手をのばした瞬間。 ――ブーブーブーッ 「うきゃあぁあ!!?」 ケータイが振動をはじめた。