「ふ……藤岡くん」 小声で隣の藤岡くんを呼ぶ。 目だけだけど、こっちを見てくれた。 「寝ててごめんなさい……ノートありがとう」 あたしのために、授業中はいつも寝てるはずの藤岡くんがノートとってくれたんだ。 なんだかすごい罪悪感。 藤岡くんに迷惑かけるなんてこと、いちばんしたくなかったのに。 本当にあたし、馬鹿だな……。 藤岡くんは何も返してくれなかった。 あたしもそれ以上なにも言えなくて。 そのまま授業は終わった。