――目が覚めたのは、授業も終盤のころ。 頭を軽くたたかれた衝撃が目覚ましだった。 まだ瞼が完全に上がらない状態で起きあがると、机の上になにかが投げられた。 あたしの数学のノートだ。 「……?」 投げてきた方向に目を向ければ、そこにいるのは隣の席の藤岡くん。 寝ぼけも覚めるような、とても苛立たしげな表情であたしを見ていた。